住宅ローンを組む際、多くの人が「変動金利と固定金利、結局どっちが得なのか」で悩む。しかし将来の金利がどう動くかは誰にも断定できないため、この問いに絶対的な正解はない。損得ではなく、判断のための軸を持つことが現実的な進め方になる。
「得かどうか」より「家計に余力があるか」
変動金利は当初の金利が低い一方、将来上昇する可能性がある。金利が上がった場合の返済額増加を貯蓄などで吸収できる家計であれば、変動金利のメリットを活かしやすいと考えられる。逆に、返済額に余裕がない家計では、金利上昇がそのまま生活への負担増につながりやすい。
借入期間の長さも判断材料になる
借入期間が短い、あるいは繰り上げ返済で早期に完済する見込みがある場合は、金利上昇の影響を受ける期間自体が短くなるため、変動金利のリスクは相対的に小さくなる。一方、30年・35年といった長期の借入では、その間に金利が変動する可能性も相応に高まる。
金利が上がったときに「動ける」かどうか
固定金利は将来の返済額が変わらない安心感と引き換えに、金利は高めに設定される。この安心料をどう評価するかは、金利上昇時に借り換えや繰り上げ返済といった対応を取れる余地があるかどうかで変わってくる。対応の選択肢が少ない家庭ほど、固定金利による「変わらないこと」の価値は相対的に高くなる。
なお、国内の住宅ローン利用者を対象にした調査では、変動金利を選ぶ人が全体の7割以上を占めるという結果が報告されている。ただし多数派であることと、自分の家計に適しているかは別の問題であることには注意したい。
まとめ:軸を先に決めてから、金利タイプを選ぶ
変動金利と固定金利のどちらが得かは、将来の金利動向次第であり、事前に断定することはできない。家計の余力、借入期間、金利上昇時に取れる選択肢という3つの軸で自分の状況を整理してから選ぶ方が、後悔の少ない判断につながる。
出典: 全国銀行協会、各金融機関による住宅ローン金利タイプ解説・利用実態に関する公表資料